国指定史跡ガイド 「市ノ山古墳」の解説
いちのやまこふん【市ノ山古墳】
大阪府藤井寺市国府にある古墳。市野山古墳とも記述される。羽曳野(はびきの)丘陵から北に延びる国府(こう)台地の北端にあり、古市(ふるいち)古墳群に属する前方後円墳。恵我長野北陵(えがのながののきたのみささぎ)の名で允恭(いんぎょう)天皇陵に治定(じじょう)されている。やや開き気味の前方部を北に向け、墳丘長は約227m、前方部の高さは約23.3m、後円部の高さは約22.3m。墳丘は3段築成で、くびれ部の両側に造り出しをそなえ、周囲には幅25~30mの内濠、外堤、溝がめぐっていたと考えられる。外周溝から出土した埴輪(はにわ)の特徴などから、築造は5世紀後半とされている。近畿日本鉄道南大阪線土師ノ里(はじのさと)駅から徒歩約5分。