市余田(読み)いちのよでん

日本歴史地名大系 「市余田」の解説

市余田
いちのよでん

国衙別納一〇ヵ所の一つで、伏見宮家相伝の所領。現山下やました町に比定される。近世の山下村は「古ハ市ノ庄余田村」といわれた(横田家文書)。余田は名田に編成されていない田のことで、本田に組入れられない地利の低い新開田である。近世の山下村は郡内屈指の大村で、このようなことなど想像もつかないが、平安時代末期から中世にかけて開発が進んだ土地であった。

伏見宮貞成親王の「看聞日記」によれば、応永二七年(一四二〇)四月二日に廊御方知行の播州国衙別納市余田代官職を望む者があり、同月二八日にはこの者が代官に決定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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