常染色体優性遺伝病(読み)じょうせんしょくたいゆうせいいでんびょう(その他表記)Autosomal dominant disease

六訂版 家庭医学大全科 「常染色体優性遺伝病」の解説

常染色体優性遺伝病
じょうせんしょくたいゆうせいいでんびょう
Autosomal dominant disease
(遺伝的要因による疾患)

 常染色体優性遺伝の形式によって起こる病気はたくさんの種類が知られていますが、それらの遺伝形式には共通する特徴があります。

 発病する人の遺伝子型ヘテロ接合、すなわちAaがほとんどです(図9)。もちろん、変異した対立遺伝子ホモ接合する遺伝子型AAの状態も病気になることが考えられますが、この場合は極めて重症になるか、この世に生を受けることができない場合が多いと考えられています。両親のどちらかが患者さんであれば、その子どもは50%の確率で同じ表現型を示し、病気になる可能性があります。

 家系をみわたすと、各世代に同じ病気になった人が何人かいる場合があります。発病した人は同じヘテロ接合であると考えられ、次の世代に変異のある対立遺伝子を伝える可能性があります。実際に、遺伝子検査が可能になった現在では、家系調査から実証されています。しかし、同じ家系内では同じ遺伝子型であっても症状の程度に個人差があり、重症から軽症まで一定しない傾向があります。

 常染色体に関係する遺伝疾患は、男女比に発生頻度差がないのが通常です。家族性高コレステロール血症ハンチントン病、家族性腺腫性(せんしゅせい)ポリポーシスなどが知られています。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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