まく【幕】 を 通(とお)す
- ① 江戸時代の歌舞伎で、舞台の幕のうしろでちょぼ語りが語る浄瑠璃の声が、声量があって、幕を通して観客によく聞こえる。
- [初出の実例]「『又かたりをる、黙らぬか』とよばはれば、夜着の内から息子が、『なんとこれでは幕(マク)を通しませふか』」(出典:咄本・聞上手(1773)義大夫ぶし)
- ② よく意志を疎通させる。うまく話をつける。うまくとりはからう。
- [初出の実例]「まくをとをすが家づきの内儀なり」(出典:雑俳・柳多留‐一五(1780))
- ③ 歌舞伎芝居で、序幕から大切(おおぎり)まで通して興行する。また、観客がそれを通して見る。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 