…すなわち現状のように柱が梁や桁を受けるのではなく,柱は床の高さまででその上に床をつくり,床桁の上に板を組み合わせて壁をつくる形式であった。いま内宮,外宮を通じて,この板倉形式を残すのは外宮御饌殿(みけでん)だけであるが,中世以前においては宝殿のほか幣殿,御倉,別宮正殿など,つまり内宮・外宮正殿に次ぐ主要社殿の多くが板倉であった可能性が大きい。この板倉形式の社殿こそ内宮・外宮正殿の形式が生まれる前の姿を示すものであり,かつそれが前述した土器や銅鐸などに描かれた高床の建物とつながることになる。…
※「幣殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」