平城山(読み)ならやま

日本歴史地名大系 「平城山」の解説

平城山
ならやま

奈良盆地北辺と京都府相楽郡木津きづ町との境界を東西に走る標高一〇〇メートル前後の低丘陵。山裾南を佐保川が西流し、東部を佐保、西部を佐紀と称する。

「日本書紀」崇神天皇一〇年九月条に「則ち精兵を率て、進みて那羅なら山に登りて軍す。時に官軍屯聚みて、草木ふみならす。因りて其の山を号けて、那羅山と曰ふ」という地名説話がみえ、壬申の乱では、大伴吹負軍と大野君果安軍とが、乃楽なら山で戦うなど、大和北辺の守りとなった山であった。奈良山・寧楽なら山・なら山・なら(万葉集)とも書く。

東端と西端の鞍部に般若寺はんにやじ越・歌姫うたひめ越があり、いずれも奈良坂と称し、京街道として古くから利用された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の平城山の言及

【奈良山】より

…平城山,寧楽山,楢山,那羅山とも記される。奈良盆地北部と京都府相楽郡木津町との境界を東西に走る標高100m前後の低丘陵。…

※「平城山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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