改訂新版 世界大百科事典 「平方剰余」の意味・わかりやすい解説
平方剰余 (へいほうじょうよ)
quadratic residue
pが3以上の素数で,aはpで割り切れない整数とする。x2-aがpで割り切れるような整数xが存在するとき,aはpの平方剰余であるといい,このようなxが存在しないとき平方非剰余であるという。p=7については,1,2,4は平方剰余,3,5,6は平方非剰余である。a,bがともに平方剰余のときには,積abも平方剰余であり,a,bの一方が平方剰余,他方が平方非剰余のとき,abは平方非剰余である。また,a,bがともに平方非剰余のときにはabは平方剰余である。さらに,p=7の場合と同様に,1,2,……,p-1のうち\(\frac{p-1}{2}\)個は平方剰余であり,残りの\(\frac{p-1}{2}\)個は平方非剰余である。これらの事情は記号(ルジャンドル記号)を,で定めると簡潔に
と表される。
→二次体の整数論
執筆者:斎藤 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報