平流郷(読み)へるごう

日本歴史地名大系 「平流郷」の解説

平流郷
へるごう

和名抄」には記載がない。訓は「平留」のほか「覇流」(天平勝宝三年「覇流村墾田地図」正倉院蔵)などの表記からヘルであろう。長治三年(一一〇六)と推定される近江国愛智郡供御人等解(山口光円氏本打聞集裏文書)に「日吉保、本春宮亮御任、始所申請之開発、平流一郷新開十五町」とみえ、日吉保の開発が平流の地から始まったと記している。地名西河原森にしがわらもりうち遺跡出土の木簡に「衣知評平留五十戸旦波博士家」とあるのが早く、「五十戸」は里で、評里制下の七世紀後半に平留里が編成されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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