精選版 日本国語大辞典 「幾そばく」の意味・読み・例文・類語
いくそ‐ばく【幾ばく】
- 〘 副詞 〙 ( 助詞「の」が付いて体言に続いたり、断定の助動詞「なり」が付くこともある )
- ① 数量や程度がどれほど多いか不明であることを表わす。どれほど。どのくらい多く。
- ② 数量や程度がはなはだしいことを表わす。どれほど多く。どんなにか多く。
- [初出の実例]「漬け豆を一さやあてに出すとも、十まり五つなり。種なくしてはいくそばくなり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
幾そばくの語誌
「ばく」は「ここばく」「そこばく」などの「ばく」で、数量の多さを表わす。「万葉集」では「いくばく」が用いられ、「いくそばく」の例はない。「いくたび」から「いくそたび」「いくちたび」が生まれたように、平安時代に「いくばく」の強調形として用いられたものか。