広島薬缶(読み)ヒロシマヤカン

精選版 日本国語大辞典 「広島薬缶」の意味・読み・例文・類語

ひろしま‐やかん‥ヤクヮン【広島薬鑵】

  1. 〘 名詞 〙 真鍮(しんちゅう)で作り、雲龍の形などを打ち出したやかん。広島地方で多く作られたところからの称という。広島。
    1. [初出の実例]「広島薬鑵のやうに尻の早い生れつきにても」(出典:滑稽本・古朽木(1780)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の広島薬缶の言及

【やかん(薬缶)】より

…明和・安永(1764‐81)のころ,新形の隠元(いんげん)やかんというのが流行したが,これは銅で口を長く作り出したもので,隠元が日本へ帰化したとき,持って渡ったものにならったといい伝えている。一方,1849年(嘉永2)印行の古風と流行とを対比した番付によると,古風のほうに黄銅で雲竜などの形を打ち出した広島やかんが掲げられている。また江戸時代に行われたこれら銅・黄銅のやかんに代わって,現在ではホウロウ引きやアルマイト・銅製のやかんが行われ,ガス・電熱用のために底の形などにも熱効率を高めるための改良が加えられ,やかんにも流行,変遷の跡がみられる。…

※「広島薬缶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む