やかん

デジタル大辞泉プラスの解説

古典落語演目のひとつ。「無学者」「無学者論」とも。大阪では「やかん根問」と題する。代表的な前座噺のひとつ。三代目三遊亭金馬が得意とした。オチはトントンオチ。主な登場人物は、隠居町人。落語で、知ったかぶりを「やかん」というのはこのはなしを由来とする。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

落語。物知りぶる旦那に,八五郎がいろいろ質問し,旦那が怪しげな解答をしたあげく,今度は〈やかん〉の由来を尋ねる。すると旦那は,むかしは水わかしといったが,夜襲を受けた際にかぶと)代りにして戦場へ出ると,が飛んで来てカーン,飛んで来てカーンで〈やかん〉になったとごまかす。〈が邪魔ですね〉〈ポッチをくわえて面代りにする〉。〈つるは〉〈にかけて忍びのの代りだ〉。〈口が邪魔でしょう〉〈敵の名乗りを聞く耳の役をする〉。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

湯沸かしの器具の一つ。やかんは「薬缶」と書くように、昔は薬を煎(せん)じるものであった。室町時代の中ごろにはすでにやかんはあったようである。のちに、薬を煎じるために別の鍋(なべ)が使われるようになり、江戸時代ごろからは、やかんは主として湯を沸かすものになった。江戸時代にはやかんは湯缶ともよばれた。
 初めは七厘などのこんろにすっぽりとはめて湯を沸かしたので、底の丸い形が一般的であった。のちに熱源はガスや電気にかわり、熱効率の点から熱の逃げにくい底の平らなものが多くなった。材質には、アルミニウム、アルマイト、ステンレス、ほうろう引き、銅などがある。形はやかんに似ているが土製のものは土瓶、鉄製のものは鉄瓶とよばれている。やかんもデザイン、色などが豊富になり、ケトルの名でよばれているものも多くなっている。[河野友美]
『麻布やかん組合編著『やかんの本』(2005・ロコモーションパブリッシング)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自由放任主義

自由に個人の利益を追求させ,競争させることが社会全体の利益の増進に役立つという主張。 A.スミスは『国富論』において,フェアプレイの原則に基づく自由競争こそ見えざる手による社会の繁栄をもたらすとし,一...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

やかんの関連情報