広布種(読み)こうふしゅ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「広布種」の意味・わかりやすい解説

広布種
こうふしゅ

種の分布域が全世界的に広い生物のことで、普遍種、コスモポリタンcosmopolitanともいう。生態的耐性域の幅が広く、一般に複数の大陸、複数の気候帯などにまたがって分布する。特定の気候条件との結び付きが強い極相性の種には少なく、裸地のほか、攪乱(かくらん)が絶えず加わる路傍荒れ地、都市的立地などに生育するパイオニア的(先駆的)で、種子散布能力が大きい種に多い。植物ではオオバコスズメノカタビラなどの雑草ヨシガマなどの水生植物、ココヤシグンバイヒルガオなどの海流散布する海岸植物があり、動物ではイエバエ、ネズミ類などの都市型動物がある。

[大澤雅彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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