日本大百科全書(ニッポニカ) 「床下の小人たち」の意味・わかりやすい解説
床下の小人たち
ゆかしたのこびとたち
The Brrowers
メアリー・ノートンの児童文学作品。1952年刊。第二次世界大戦後のイギリス・ファンタジーを代表する作品で、カーネギー賞を受賞。主人公の小人の一家は人家の床下に住み、人間から日用品を「借りて」暮らしていたが、人間に「見られた」ために、家を出ていかなくてはならなくなる。これに続く続編が三冊あり、このなかで、小人の一家は、「見られ」まいとして放浪の旅を続けたのち、人間から「借りて」暮らすから「見られる」危険性も増すのだと悟り、人間に依存することをやめ、自然のなかで自立して暮らすという困難な道をとることを決意する。
[掛川恭子]
『林容吉訳『床下の小人たち』(1969・岩波書店)』