庸布(読み)ようふ

精選版 日本国語大辞典 「庸布」の意味・読み・例文・類語

よう‐ふ【庸布】

〘名〙 令制で、庸として納入する布。ちからしろのぬの。
※続日本紀‐慶雲三年(706)二月庚寅「准令、正丁歳庸布二丈六尺

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「庸布」の意味・読み・例文・類語

よう‐ふ【庸布】

律令制で、として納めた布。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「庸布」の解説

庸布
ようふ

庸の一品目。大麻(たいま)・苧麻(ちょま)を原料とする麻布(あさぬの)。初見は改新の詔(みことのり)で,仕丁采女(うねめ)のため郷里で1戸あたり庸布1丈2尺を出す規定であった。令制では正丁1人あたり布の長さ2丈6尺,幅2尺4寸とするが,当時貨幣的機能をもった常布(1丈3尺)2枚を納めるのが令の狙いらしく,706年(慶雲3)庸が半減されて布1丈3尺となった。713年(和銅6)庸布は2丁分の2丈6尺を1段として合成することとし,717年(養老元)には調庸布4丈2尺を1端と定め,調が布以外の地域では庸布は2丁分を合成して2丈8尺が1段となり,以後定着した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android