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采女 うねめ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

采女
うねめ

後宮女官の一つ。天皇のそば近く仕え,食事のことにたずさわった。大化以前からすでにみられ,大化改新のとき,少領以上の郡司の姉妹,子女で,容姿端正なものを貢進することと定められた。令制では宮内省采女司の管轄に属し,水司に6人,膳司に 60人などがおかれた。

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デジタル大辞泉の解説

うねべ【采女】

うねめ」に同じ。
「時持が妻(め)は、朱雀院(すざくゐん)の御時、―をなむし侍りし」〈宇津保・楼上下〉

うねめ【采女】

宮中の女官の一。天皇・皇后の側近に仕え、日常の雑事に従った者。律令制以前からあったとみられるが、律令制では諸国の郡司一族の子女のうちから容姿端麗な者を出仕させて、宮内省采女司(うねめのつかさ)が管理した。名目的には江戸時代まで存続した。うねべ。
[補説]曲名別項。→采女

うねめ【采女】[謡曲]

謡曲。三番目物。作者未詳。世阿弥説もある。昔、猿沢池に身を投げた采女の霊が、旅僧に故事を語り、僧が回向(えこう)すると舞をまう。

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百科事典マイペディアの解説

采女【うねめ】

女官の一つ。天皇に近侍(きんじ)して寝食に奉仕する。大和朝廷時代や律令時代には,全国の国造(くにのみやつこ)や郡司が未婚の姉妹・子女を差し出し,祭祀(さいし)に奉仕させるなど宗教的な意味や人質としての政治的な意味もあった。
→関連項目縫殿寮

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世界大百科事典 第2版の解説

うねめ【采女】

古代の宮廷で天皇に近侍し,食膳などに奉仕した下級女官。地方豪族の娘が貢進され,出身地名を冠して呼ばれた。起源は5世紀ごろまでさかのぼり,国造(くにのみやつこ)や県主(あがたぬし)たちが,朝廷への忠誠の保証として貢進した。大化改新後は,郡の大領・少領(長官・次官)の娘や姉妹で形容端正な者が貢進され,〈伊勢国飯高郡采女飯高君笠目〉のように郡名を冠して呼ばれた。後宮の水司に6人,膳司に60人配属されたほか,他の後宮諸司の女孺(によじゆ)にも任ぜられた。

うねめ【采女】

能の曲名。三番目物鬘物かつらもの)。作者不明。シテは采女の霊。旅の僧(ワキ)が奈良の春日の里を訪れると,若い女(前ジテ)が来て木を植えたので理由を尋ねる。女の言うには,春日明神がここに祭られた最初は,木陰さえない山だったが,藤原氏の人々がつぎつぎに木を植えてこのような茂みとなったもので,いわば神木の植樹なのだと説明する(〈カタリ〉)。女はさらに僧を猿沢の池に導き,帝の愛を失った采女が身投げをした所だと教え,自分はその采女の幽霊だと告げて池に入ってしまう。

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大辞林 第三版の解説

うねべ【采女】

うねめ(采女) 」に同じ。 「時持が妻は、朱雀院の御時、-をなむし侍りし/宇津保 楼上・下

うねめ【采女】

宮中の女官の一。天皇・皇后のそば近く仕え、日常の雑役にあたる者。律令制以前には地方の豪族が、律令制では諸国の郡司以上の者が一族の娘のうち容姿端麗な者を後宮に奉仕させた。うねべ。

うねめ【采女】

能の曲名。三番目物。作者未詳。帝の寵が衰えたことを嘆いて入水した采女のあとを旅僧がとむらうと、采女の霊が現れて報恩に舞を舞う。

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世界大百科事典内の采女の言及

【氏女】より

…日本古代の畿内貴族が,後宮の下級の女官である女孺(によじゆ)にあてるため貢進した女性。大化前代に,地方豪族である国造(くにのみやつこ)が,采女(うねめ)を朝廷に貢進する慣習があり,これが律令制にひきつがれ,郡司が姉妹子女を采女として貢進する制度として成立した。そして,これとは別に天武朝から畿内の諸氏は,年13~30歳の女性を,氏別に1人貢進することが定められたが,これを氏女という。…

【後宮】より

…また律令支配機構に参加した女性を宮人(くうにん)と総称したが,中心は十二女司に勤務する女性らで,諸司が名に負う職掌で天皇に奉仕したが,天皇の家政機関的な性格が濃く,官位相当規定はない。諸司の掌(しよう)以上が〈職事〉,以下の女孺(によじゆ),采女(うねめ)らを〈散事〉とよぶが,男性官人に準ずる給禄の准位規定(表)があり,蔵司の筆頭である尚蔵以下の地歩が推定できる。そこでは蔵司を最高に,膳・縫司がこれに次ぎ,天皇に常侍して奏請・宣伝する内侍司(ないしのつかさ)は,その次に位置したが,しだいに内侍司の地歩が上昇し,蔵司と肩を並べるに至った。…

【襅】より

…神事に奉仕するものが衣服の上に着ける白衣。たとえば大嘗会(だいじようえ)のさいに,神饌(しんせん)や陪膳(ばいぜん)に奉仕する女官(采女(うねめ))の装束では,白の小袖に紅の切袴(きりばかま),これに絵衣(えぎぬ)という白地に草花模様を泥絵で描いた袿(うちき)様の衣を着け,さらに波衣(なみごろも)という薄縹(はなだ)に白く青海波をあらわした唐衣(からぎぬ)様の短衣を重ね,その上に襅を打ちかけて着るのである。こういう近世の襅は,白の生絹に草花や水などの模様を藍摺(あいずり)にしたもので,形も祭事に男子の用いる小忌衣(おみごろも)と似て,身二幅に袖一幅でおくみのない,襟つきの垂領(たりくび)形であるが,本来は小忌衣が垂領形であるのに対して,襅は貫頭衣形のものであったらしい。…

【ヒメ・ヒコ制】より

…男首長への支配権の一元化を通じて古代国家の形成がすすむにつれ,この体制は急速に消滅していった。ヒメ・ヒコ制を廃するために,宗教権をもったヒメを召し上げる制度として実施されたのが采女(うねめ)制であった。一方沖縄では,各家から国家のレベルに至るまで,ピラミッド型の二重支配体制ができ上がり,女性が長く宗教権を握り続けた。…

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