延寿院(読み)えんじゆいん

日本歴史地名大系 「延寿院」の解説

延寿院
えんじゆいん

[現在地名]名張市赤目町長坂

たき川上流の赤目あかめ滝のすぐ北にあり、妙法山と号し、天台宗、本尊不動明王。もと黄滝山おうりゆうさん(黄滝寺)といい永治二年(一一四二)五月の伊賀黄滝寺西蓮勧進状案(東大寺文書)によれば、承保(一〇七四―七七)の頃僧正縁が熊野くまの(現和歌山県)吉野よしの長谷はせ(現奈良県)で修行中、夢告により名張郡にある黄滝に不動明王の正体のあるのを知り、役行者の修行地を見いだすことができた。この話を伝聞した「河内国八神郡生人金剛仏子延僧」が「千日籠居、草創五間四面梵宮之内」に五大明王を造立した。「春華秋月抄草」によれば、保安三年(一一二二)延僧によって創建され、その後数回の修理を経て安貞元年(一二二七)改築された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の延寿院の言及

【赤目四十八滝】より

…滝口から約2kmにわたる渓谷には大小50余の滝と淵,早瀬が連続し,岩石や広葉樹と調和して美しい。滝口には旅館やみやげ物店が集まり,また赤目不動尊を祭る延寿院がある。赤目の峡谷として名勝に指定され,オオサンショウウオ(特天)の生息地として知られる。…

※「延寿院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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