廿世紀之怪物帝国主義
にじっせいきのかいぶつていこくしゅぎ
幸徳秋水(こうとくしゅうすい)著。1901年(明治34)4月警醒(けいせい)社刊。レーニンらに先んじて近代帝国主義を論じた先駆的著作。日清(にっしん)戦争後のナショナリズムの高まりに抗して、帝国主義の本質を「愛国心を経(たていと)とし軍国主義を緯(よこいと)とす」と鋭く指摘し、偏狭な愛国心と野蛮な軍国主義によりペストのように流行する侵略を、欧米や日本の実態に即して論断する。帝国主義の「大清潔法」として志士義人の奮起を求め、世界的大革命の運動を開始せよと結んでいる。
[荻野富士夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
廿世紀之怪物帝国主義
にじっせいきのかいぶつていこくしゅぎ
幸徳秋水の著書。 1901年刊。日清戦争後のナショナリズムと軍事外交政策に反対し,日本帝国主義の実態をリアルに分析した幸徳の処女出版である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報