朝日日本歴史人物事典 「式乾門院御匣」の解説
式乾門院御匣
鎌倉時代の歌人。太政大臣源通光の娘。初め式乾門院に仕えて御匣と呼ばれる。建長3(1251)年式乾門院の没後,同母妹の安嘉門院に出仕,三条または単に御方と呼ばれたらしい。安嘉門院に四条として仕えた阿仏尼と親しく,『十六夜日記』に鎌倉滞在中の阿仏尼との贈答が記されている。弘長3(1263)年の『住吉社歌合』『玉津島歌合』『弘安百首』などに出詠。『続後撰集』以下の勅撰集に52首入集。宮仕えの場では名門出身の上臈女房として特に重んぜられ,かつ歌壇においても歌人として高く評価されていたらしい。
(田渕句美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報