安嘉門院(読み)アンカモンイン

デジタル大辞泉 「安嘉門院」の意味・読み・例文・類語

あんか‐もんいん〔‐モンヰン〕【安嘉門院】

[1209~1283]高倉天皇の皇子守貞親王王女後堀河天皇准母じゅんぼ。父から譲られた八条院領は、のちに大覚寺統の重要な所領となった。

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精選版 日本国語大辞典 「安嘉門院」の意味・読み・例文・類語

あんか‐もんいん‥モンヰン【安嘉門院】

  1. 堀河天皇准母(じゅんぼ)高倉天皇の第二皇子守貞親王の娘。名は邦子。貞応三年(一二二四院号を定められる。のち出家し、法号正如覚。承元三~弘安六年(一二〇九‐八三

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朝日日本歴史人物事典 「安嘉門院」の解説

安嘉門院

没年:弘安6.9.4(1283.9.26)
生年:承元3(1209)
鎌倉中期の女院。八条院領を継承したことで知られる。後高倉上皇の第3皇女。名は邦子。母は権中納言藤原基家の娘,北白河院承久3(1221)年の承久の乱後,同母弟の後堀河天皇が推戴されると,その4カ月後の同年11月,内親王となり,翌月天皇の准母として皇后宮に立てられた。元仁1(1224)年8月,院号宣下。文暦2(1235)年5月,出家。膨大な皇室領荘園である八条院領は承久の乱後,後高倉上皇が管領したが,上皇はそのほとんどを邦子(当時皇后宮)に譲与した。その結果,有名な歌人の藤原定家ら以前八条院(鳥羽の娘)に仕えていた者が,安嘉門院に仕えるようになった。弘安6(1283)年,姪の室町院(後堀河の娘)に所領を譲って没したが,当時の治天の君である亀山上皇が安嘉門院の猶子だったことから幕府に働きかけて,これを取得することに成功した。かくして八条院領は大覚寺統の有力な財源となった。

(秋山喜代子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「安嘉門院」の意味・わかりやすい解説

安嘉門院
あんかもんいん
(1209―1283)

後高倉(ごたかくら)院の皇女。名は邦子。母は中納言(ちゅうなごん)藤原基家(もといえ)の女(むすめ)北白河院陳子。1221年(承久3)同母弟の後堀河(ごほりかわ)天皇の准母として立后の宣下(せんげ)を受け、ついで1224年(元仁1)院号宣下を受け、安嘉門院と名のる。1235年(嘉禎1)出家。法名は正如覚。多数の所領からなる八条院領を後高倉院から譲り受け、それを亀山(かめやま)天皇に伝えた。これはやがて後醍醐(ごだいご)天皇に伝えられることになる。

[山本博也]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安嘉門院」の解説

安嘉門院 あんかもんいん

1209-1283 鎌倉時代,後高倉院の皇女。
承元(じょうげん)3年生まれ。母は北白河院。承久(じょうきゅう)3年内親王となり,同母弟の後堀河天皇の准母として皇后位につく。貞応(じょうおう)3年院号をうけ,文暦(ぶんりゃく)2年出家。父よりゆずられた八条院領は亀山天皇に,さらに後年後醍醐(ごだいご)天皇につたわる。弘安(こうあん)6年9月4日死去。75歳。名は邦子(ほうし)。法名は正如覚。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安嘉門院」の意味・わかりやすい解説

安嘉門院
あんかもんいん

[生]承元3(1209).京都
[没]弘安6(1283).9.4. 京都
高倉天皇の皇子守貞親王 (後高倉院) の王女。諱は邦子,母は藤原陳子。承久3 (1221) 年,後堀河天皇の母儀に准じて立后宣下。皇后と尊称された。元仁1 (24) 年院号宣下。嘉禎1 (35) 年落飾,尼となり,正如覚と称した。

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世界大百科事典(旧版)内の安嘉門院の言及

【八条院】より

…そのとき(1221)の目録によると荘園数はさらに増加し,庁分79,安楽寿院領48,歓喜光院領26,蓮華心院領15,智恵光院領5,真如院領10,弘誓院領8,禅林寺今熊野社領3,〈新御領〉2,〈京御領〉21,祈禱所4などとなっている(〈三宝院文書〉)。23年(貞応2)後高倉院は死の直前,その女安嘉門院邦子に八条院領のすべてを譲った。83年(弘安6)安嘉門院は死去,膨大な荘園は後堀河天皇の女室町院の手中に入ろうとした。…

※「安嘉門院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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