引き結ぶ(読み)ヒキムスブ

デジタル大辞泉 「引き結ぶ」の意味・読み・例文・類語

ひき‐むす・ぶ【引き結ぶ】

[動バ四]
引き寄せて結び合わせる。
磐代いはしろ浜松を―・びまさきくあらばまたかへりみむ」〈・一四一〉
いおりをつくって住む。
「柴の庵を―・び」〈平家・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引き結ぶ」の意味・読み・例文・類語

ひき‐むす・ぶ【引結】

  1. 〘 他動詞 バ五(四) 〙
  2. ひっぱって結ぶ。引き寄せてくくる。ひきくくる。また、むすぶ。くくる。ひきゆわえる。
    1. [初出の実例]「磐代の浜松が枝を引結(ひきむすび)真幸くあらばまた還り見む」(出典万葉集(8C後)二・一四一)
  3. ( 「ひき」は接頭語 ) 庵を構える。
    1. [初出の実例]「ひきむすぶかりほの庵も秋暮れて嵐によわき松虫の声」(出典:拾遺愚草(1216‐33頃)上)
  4. 口などをしっかりと閉じるのを強めていう。
    1. [初出の実例]「かう叱りつける間崎の顔を、江波は口をきつく引き結んでまじろぎもせず」(出典:若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上)

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