引分ける(読み)ヒキワケル

デジタル大辞泉 「引分ける」の意味・読み・例文・類語

ひき‐わ・ける【引(き)分ける】

[動カ下一][文]ひきわ・く[カ下二]
勝負事で、決着がつかず、双方勝ち負けなしとして終える。「一対一で―・ける」
引き離して別々にする。両者の間を離す。
「皆々出合ひ、両方へ―・け」〈浮・五人女・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「引分ける」の意味・読み・例文・類語

ひき‐わ・ける【引分】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ひきわ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. 引き離して別々にする。分ける。引き離す。
      1. [初出の実例]「此介殿の御財を、引分る方无く、我君に令伝たらば、和主の世にてこそは有め」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
    2. 勝負事で、勝負がつかないとき途中でやめさせて勝ち負けなしにする。
      1. [初出の実例]「白刃の上へ一張羅の羽織をからめて双方を引別(ヒキワ)けて此喧嘩を預った」(出典江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ひきわ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 今まで従っていたものからはなれそむく。離反する。反対する。
    1. [初出の実例]「今度宇治遷坐、大乗院門跡引分之由申之」(出典:園太暦‐貞和元年(1345)四月二六日)

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