引野遺跡(読み)ひきのいせき

日本歴史地名大系 「引野遺跡」の解説

引野遺跡
ひきのいせき

[現在地名]阿知須町 引野

海岸から三・八キロほど離れた標高八二メートル余の貝殻山とよばれる丘陵上に立地する弥生中期の高地性集落跡。小規模の鹹水性貝塚を伴うので、古くからカンガラ山貝塚または貝殻山貝塚といわれてきた。昭和五一年(一九七六)と五二年に発掘調査が行われ、弥生中期の土器を伴う袋状土壙や溝状遺構が検出されたが、遺構はこのほか丘陵上に広く分布していると推定される。

遺跡の東側は比高六〇メートル余の急崖で井関いせき川の狭長な低地に臨み、弥生中期にはこの低地に海水が入り、海浜が貝類の生息地であったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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