引頭(読み)いんとう

精選版 日本国語大辞典 「引頭」の意味・読み・例文・類語

いん‐とう【引頭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏事法会の時、僧侶たちの先導をする者。いんず。
    1. [初出の実例]「御堂供養請僧〈略〉引頭二人 大僧都慶命、権大僧都澄円」(出典:左経記‐寛仁四年(1020)三月二二日)
  3. 大工小頭
    1. [初出の実例]「大工散位長宗〈束帯〉相具引頭〈束帯参上。〈略〉大工分〈略〉引頭五人分〈略〉小工等分」(出典吾妻鏡‐嘉禎三年(1237)四月一九日)

いん‐ず‥ヅ【引頭】

  1. 〘 名詞 〙いんとう(引頭)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の引頭の言及

【威儀師】より

…必要に応じて従儀師を立てて役割分掌をすることもある。宗派によっては同様の進行役を会行事,会役者,故実者,引頭(いんとう)などと称し,法会の格式によって役名を使い分けている。【高橋 美都】。…

【会奉行】より

…諸々の作法や故実を熟知し,機転のきく事相(儀式の実際面)の専門家があたり,他の職衆(しきしゆう)と区別しやすい装束をつける。日常の小規模な法要においても進行役は必ず設けられるが,宗派によって会奉行をおく法会の格式に制限(勅会と本山の親修法要のみ)を加える場合があり,そのときは会行事,会役者,威儀師,故実者,引頭(いんとう)などの役名を用いる。会奉行(または会行事)を統括責任者として,その下に副会行事,会役者数名を配することもある。…

【大工】より

… 平安時代から中世にかけて〈大工〉の意味はしだいに変化する。たとえば1208年(承元2)の興福寺北円堂造営では,番匠(ばんじよう)大工2人・引頭(いんどう)8人・長(おさ)20人・連(むらじ)11人,瓦葺き大工2人・引頭2人,瓦造大工1人,鍛冶長2人,鋳物師大工1人が参加しており,大工は番匠,瓦葺き,瓦造,鋳物師の統率者としての役名あるいは肩書となっている。構成は律令期の大工,少工,長上工,番上工とちがって大工,引頭,長,連となっており,大工はそれぞれの職種ごとにその長を示している。…

※「引頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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