日本歴史地名大系 「弘法坂」の解説 弘法坂こうぼうざか 山梨県:北巨摩郡高根町長沢村弘法坂[現在地名]高根町長沢長沢(ながさわ)にある急坂。八ヶ岳南東麓は須玉(すたま)川によって大きく浸食され、急峻な地形がいたるところに見られる。弘法坂はこうした場所にある坂の一つで、須玉川の上流に位置する。支流の川俣(かわまた)川と大門(だいもん)川によって削られた念場(ねんば)原の突端を、幾重にも屈曲しながら上るが、比高が一〇〇メートル以上もあるため、通行者から街道の難所といわれた。坂名は中腹にある湧水に由来し、弘法大師が念場原を通ったとき、三里にもわたって水がないので旅人を憐み、持っていた杖で地を突いたらたちまち清水が湧き出たという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by