日本大百科全書(ニッポニカ) 「弘法大師行状絵詞」の意味・わかりやすい解説
弘法大師行状絵詞
こうぼうだいしぎょうじょうえことば
絵巻。12巻。京都・東寺蔵。真言宗の祖師弘法大師(空海)の一代の伝記を描いたもので、先行の諸本を取捨選択、集成してつくられる。『東寺百合文書(ひゃくごうもんじょ)』所収の「大師御絵日記」によれば、制作は応安(おうあん)7年(1374)から康応(こうおう)元年(1389)にわたり、絵は祐高法眼(ゆうこうほうげん)、(巨勢(こせ))行忠(ゆきただ)ら4人の絵師が分担したとみられる。なお、このほか弘法大師の行状を説いた絵巻として『高野大師行状図絵』6巻(地蔵院)などが知られる。
[村重 寧]
『小松茂美編『続日本絵巻大成5・6 弘法大師行状絵詞』(1982、83・中央公論社)』
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