弘田庄(読み)ひろたのしよう

日本歴史地名大系 「弘田庄」の解説

弘田庄
ひろたのしよう

現岩出町北部の山間部から平地部にあった荘園石手いわで庄の北に位置する。長久二年(一〇四一)三月日の紀利延等寄進状(根来要書、以下同書による)に「河南院荒田村字弘田庄」を寄進し、年貢御服料八丈絹一〇疋と記される。寄進先は不明であるが、摂関家であろう。次いで天承元年(一一三一)二月日、本家権少僧都相命は、当庄のうち本免二〇町を除く田畠を内蔵允中原有保に与え(権少僧都房下文案)、有保は翌長承元年(一一三二)一一月日これを覚鑁に寄進し、同年一二月日の院庁牒により院使・国使らが検注して立券が行われた。立券文案には四至は「東限石手保堺、南限同庄堺、西限市保堺、北限横峯和泉国南堺」とみえるが、長久二年の寄進状記載の四至とは若干異なる。また「東限石手保」「西限市保」も、石手庄、いち(山崎庄)などの四至内と比較すれば若干矛盾があり、誤記・誤認の可能性がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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