(読み)きょうてい

普及版 字通 「彊」の読み・字形・画数・意味


16画

[字音] キョウ(キャウ)
[字訓] くにざかい・つよい

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(きょう)。〔説文〕十二下に「弓に力るなり」と強弓の意とする。虫部十三上に強の字があり、「(あぶ)なり」とするが、強は弓弦の形である弘に従う字であるから、強が強弓の本字。彊はもと田界を示す字で、これを強の義に用いるのは仮借。彊の金文字形に、土(社)や(ふ)(神梯の象)を加える字がある。弓は「侯道五十弓」のように距離をはかるのに用いた。今も五尺を以て一弓とする。金文には彊を疆の意に用い、「眉壽(びじゆ)無彊」のようにいう。彊・疆はもと一字であった。

[訓義]
1. くにざかい、さかい、田界。
2. 疆と通じ、かぎり。
3. 強と通じ、つよい、つよい弓、こわばる。
4. 強と通じ、つとめる、しいて。

[古辞書の訓]
名義抄〕彊 キハマル 〔字鏡集〕彊 カタシ・サカヒ・ツトム・ナマジヒ・アナガチ・ススム・キハマル・コハシ・ツヨシ・カギル・シヒテ

[声系]
〔説文〕に彊声の字としてを収める。〔論語、郷党〕に「(はじかみ)を撤せずしてらふ」とあるの本字である。疆の本字は。〔説文〕にの或る体として疆をあげている。

[語系]
彊・強giang、剛kangは声近く通用するが、彊は田界、強は強弓、剛は堅い鋳型を裂く意で、字源それぞれ異なる。鉅gia、(健)gian、勍gyang、また緊kien、堅kyenも同系の語である。語彙は強字条参照。

[熟語]
彊横・彊家・彊学彊猾彊姦彊悍・彊幹彊鉗彊諫・彊顔・彊毅・彊記・彊弓彊禦彊彊彊屈・彊・彊健・彊固彊亢・彊行彊梗彊伉・彊国彊很彊索彊識彊仕・彊市・彊死彊執・彊渋・彊熟彊臣・彊・彊勢・彊正彊請・彊宗・彊壮・彊族・彊対・彊大・彊奪・彊致・彊聴・彊直・彊敵彊弩・彊・彊忍・彊半・彊富・彊勉・彊本・彊勇・彊要・彊旅・彊梁・彊力
[下接語]
屈彊・堅彊・康彊・剛彊・自彊・勉彊・木彊・力彊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【維新会】より

…1904年ファン・ボイ・チャウらを中心として組織された。盟主には皇族クオン・デ(彊)を推戴し,ベトナムの独立回復と立憲君主制の樹立を綱領とした。05年にはチャウが渡日し,日本への留学運動(ドンズー運動)を組織した。…

【光復会】より

維新会の後身。盟主にクオン・デ(彊)を推戴し,抗仏武力闘争と民主共和制の樹立を標榜した。会は広東に光復軍を組織してベトナム国内への進攻を企図するとともに,辛亥革命後の中国からの資金援助を期待して振華興亜会を設立した。…

※「彊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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