往にし(読み)イニシ

デジタル大辞泉 「往にし」の意味・読み・例文・類語

いに‐し【往にし】

《動詞「い(往)ぬ」の連用形過去助動詞「き」の連体形「し」から》
[名]過ぎ去った時。往時。「往にしをしのぶ」
[連体]過ぎ去った。「往にし世」「往にし年」

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精選版 日本国語大辞典 「往にし」の意味・読み・例文・類語

いに‐し【往し】

  1. [ 1 ] 〘 連体詞 〙 ( 動詞「いぬ(往)」の連用形に、過去の助動詞「き」の連体形が付いて一語化したもの ) 過ぎ去ったところの。さる。いんじ。さんぬる。時を表わす語を修飾する。
    1. [初出の実例]「いにし承久三年の秋のころ」(出典:東関紀行(1242頃)今の浦より前島)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ]から転じて ) 過ぎ去ってしまった時。往時。むかし。
    1. [初出の実例]「さすがいにし、ふかくなれし事なれば」(出典:浮世草子・新吉原常々草(1689)下)

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