前島(読み)まえじま

精選版 日本国語大辞典 「前島」の意味・読み・例文・類語

まえじま まへじま【前島】

(「まえしま」とも) 姓氏の一つ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本歴史地名大系 「前島」の解説

前島
まえじま

江戸前島・江戸郷内前島ともよばれた中世の地名。現在の東京駅から有楽ゆうらく町にかけて、ひら川・古石神井こしやくじい川に両端を浸食された台地先端の岩盤に堆積した砂洲地形。根元にあたる神田台地(神田山)の麓に上平川かみひらかわ村・下平川村があり、前島までの間に芝崎しばざき村があったと推定される。平安時代後期に江戸氏の開発によって重代相伝の地とされたが、弘長元年(一二六一)江戸長重は飢饉によって亡弊の地と化した「前島村」を五大院氏(高繁か)を通して北条得宗家に譲渡した(同年一〇月三日「江戸長重避状」関興寺文書)。その後得宗家によって鎌倉円覚寺に寄進されたらしく、建武四年(一三三七)には足利直義によって同寺領として地頭職が安堵され(同年七月一〇日「足利直義安堵状」円覚寺文書)、永和三年(一三七七)には造伊勢太神宮役が免除されている(同年一二月一一日「官宣旨」同文書)

前島
めーじま

[現在地名]渡嘉敷村前島

渡嘉敷とかしき島の東約六・四キロにある島。那覇港の西約二〇キロ。面積一・六平方キロ。最高点一三二・八メートルの高島。北東から南西に延びる細長い島で、南北約三・一キロ、最大幅約八〇〇メートル。地形は三角点を最高点とし、島軸方向に延びる丘陵と小規模な海岸段丘、および低地からなる。丘陵は標高一〇〇メートルを超える尾根に定高性があり、那覇港から遠望すると台地状を呈する。海岸段丘は北東側にあり、段丘面は標高一〇―二〇メートルに分布。低地は狭小な海岸低地と、西側の長さ約一・五キロを最大とする砂浜、および北端の小さな砂嘴。島の周囲は最大幅四〇〇メートルほどのサンゴ礁に縁取られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「前島」の意味・わかりやすい解説

前島
まえじま

岡山県南東部、瀬戸内市牛窓(うしまど)町にある丘陵性の島。面積2.4平方キロメートル。牛窓港との間にフェリーが就航する。2005年(平成17)新しいフェリー乗り場として新御堂港が開港した。瀬戸内海国立公園の一部で、南部沖合いには黄(き)島、黒島、青島、中ノ小島、端ノ小(はたのこ)島などが点在する。海水浴キャンプ、釣りの観光客が多い。人口217(2000)。

[由比浜省吾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「前島」の解説

前島〔沖縄県〕

沖縄県、沖縄本島南部の那覇市の西方約23キロメートルに位置する、慶良間列島の島。面積約1.6平方キロメートル。行政的には島尻郡渡嘉敷村に属する。昭和時代前半まではカツオ漁が盛んでカツオブシ産地として知られた。度重なる台風災害により島民が離島し一時無人化したが、平成半ば以降再び定住が始まった。

前島〔岡山県瀬戸内市〕

岡山県瀬戸内市、牛窓港から牛窓瀬戸を挟み南東に位置する島。面積約2.42平方キロメートル。大阪城の築城時にはこの島からも石材が多く切り出され、その残石群が残る。気候は穏やかで農業が盛ん。砂浜の海水浴場があり、夏には多くの観光客が訪れる。

前島〔熊本県上天草市〕

熊本県上天草市、天草諸島天草上島の北東、合津港沖に位置する島。天草上島とは天草パールラインで結ばれている。面積約0.43平方キロメートル。温泉のある宿泊施設や海中水族館を併設したレジャー施設「天草パールセンター」などがある。

前島〔熊本県天草市〕

熊本県天草市御所浦町、御所浦島北端の嵐口地区から北東へ約0.2kmに位置する島。御所浦島とは橋で結ばれている。島では巨大二枚貝イノセラムス)やアンモナイトの化石が発見されており、干潮時のみ見学することができる。

前島〔愛知県〕

愛知県西尾市の渥美湾内にある無人島。かつては名古屋鉄道うさぎ放し飼いにして観光地化していた。その際の名称「うさぎ島」(1997年閉園)で呼ばれることもある。

前島〔長崎県:大村湾〕

長崎県西彼杵郡時津町北西部、大村湾に浮かぶ島。面積約0.26平方キロメートル。本土との距離は約0.3キロメートル。ミカンなどの果樹栽培が行われている。

前島〔長崎県五島市〕

長崎県五島市、五島列島の奈留島の南にある島。面積約0.47平方キロメートル。南西にある末津島には干潮時のみ現れる砂州を通って渡ることができる。

前島〔長崎県佐世保市〕

長崎県佐世保市小佐々町、神埼地区の北方に位置する無人島。北九十九島を構成する島のひとつ。本土と橋で結ばれている。

前島〔岡山県備前市〕

岡山県備前市、東備港内にある無人島。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android