後牟田遺跡(読み)うしろむたいせき

日本歴史地名大系 「後牟田遺跡」の解説

後牟田遺跡
うしろむたいせき

[現在地名]川南町平田 後牟田

阿蘇四火山灰(九万―八万年前)降下前に離水した隆起台地の南に向かって取残された舌状台地の末端に位置する。標高は約五一メートル。平成五年(一九九三)から発掘調査が行われ、縄文時代早期から阿蘇四火山灰層直上まで一〇枚の文化層が確認された。当遺跡の注目点は縄文時代早期から阿蘇四火山灰層直上まで文化層が連続することである。またAT層上面で落し穴状遺構が検出されたこと、AT層下位で配石遺構が三つの文化層で検出されたこと、これまで九州あるいは日本のAT層下位で検出された石器群とは様相を異にする石器組成をもつこと、霧島イワオコシ火山灰層(七万―三万八千年前)直下および阿蘇四火山灰層直上で石器や剥片が出土したことなど、これまでの調査を一変させる成果が一遺跡で出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android