徒名(読み)アダナ

デジタル大辞泉 「徒名」の意味・読み・例文・類語

あだ‐な【徒名】

男女関係についてのうわさ。浮き名。「徒名が立つ」
事実無根評判
「急ぎ首取り御分ごぶんが―を清めてくれよ」〈浄・主馬判官盛久〉
[類語]艶聞浮き名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「徒名」の意味・読み・例文・類語

あだ‐な【徒名・虚名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 徒名 ) 男女関係についてのうわさ。または、色好みだという評判。浮き名。艷聞(えんぶん)
    1. [初出の実例]「露深き菊をし折れる心あらば千代のあた名は立たんとぞ思ふ〈紀貫之〉」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)一)
  3. 事実と違うという評判。うそつきの名。
    1. [初出の実例]「秋の野にあだなのみたつ女郎花はなさかぬまはしる人のなき」(出典:左大臣忠平前栽合(927))
  4. 事実無根の悪評。ぬれぎぬ。
    1. [初出の実例]「ぬれぎぬ、如何。これは、あだなたつをいふ歟」(出典:名語記(1275)九)

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