御坊様(読み)おぼうさん

精選版 日本国語大辞典 「御坊様」の意味・読み・例文・類語

お‐ぼうさん ‥バウさん【御坊様】

〘名〙 (「お」は接頭語。「さん」は接尾語)
① 僧を敬い親しんで呼ぶ語。ぼうさん
※雑俳・柳多留‐三五(1806)「おぼうさんきっとだまっていておくれ」
② 小児の愛称。お坊ちゃん。ぼっちゃん。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)七「コレ、おぼうさん、おまんひとつあげやせう」
世俗のことに通じていない人。世事にうとい人。
※人情本・梅之春(1838‐39)四「ああ何様(どう)して那のお幼稚(バウサン)が、そんなはたらきが出来るものかね」
[語誌]②は近世後期の江戸の武家および上層の町家の男児に対する敬意を含む呼称であった。「ぼう(坊)」「ぼうや(坊や)」「人名(の一部)+ぼう(坊)」という言い方も、幼児に対する呼称として江戸で用いられたが、これらは、特別の敬意を含まず、階層・性別を問わずに広く用いた点で、「おぼうさん」とは異なる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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