御歯黒溝(読み)オハグロドブ

デジタル大辞泉 「御歯黒溝」の意味・読み・例文・類語

おはぐろ‐どぶ【御歯黒溝】

遊女たちが使ったお歯黒の汁を捨てたところからという》江戸新吉原遊郭を囲むみぞ。遊女の逃亡を防ぐために設けたもの。大どぶ。

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精選版 日本国語大辞典 「御歯黒溝」の意味・読み・例文・類語

おはぐろ‐どぶ【御歯黒溝】

  1. 遊女の逃亡を防ぐため、江戸新吉原遊郭の三方に巡らした溝。御歯黒堀。大溝(おおどぶ)
    1. [初出の実例]「鉄漿下水(オハグロドブ)にかけはしの、うそとまことを裏表」(出典洒落本・青楼娭言解(1802)跋)

御歯黒溝の補助注記

遊女がおはぐろの汁を捨てたところからいうとする説や、おはぐろの汁のようにいつも黒く濁っていたからとする説などがある。

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世界大百科事典(旧版)内の御歯黒溝の言及

【投込寺】より

…江戸吉原の遊女人口は享保年間(1716‐36)以降,3000人から4000人を数えるが,階層の低い遊女が半数を占めており,こうした遊女は死亡した後も無縁仏として,三ノ輪(みのわ)(現,荒川区南千住2丁目)の浄閑寺や,新鳥越橋南詰(現,台東区浅草7丁目)にあった土手の道哲(どうてつ)(浄土宗西方寺の俗称。現在,豊島区西巣鴨に移転),日本堤の正憶(しようおく)院(現在,足立区大谷田に移転)の山門の中に,なにがしかの銭を添えて投げ込まれた。…

【吉原】より

…大門は吉原の玄関で,夜10時から翌朝までは大戸をしめ,くぐり門を通行させた。その他の出入口は非常口で平常は開放されなかったが,周囲のどぶ(〈おはぐろどぶ〉と俗称)には臨時に使用する〈はね橋〉が用意されていた。大門の内側左右には番所,会所があって,それぞれ幕府と吉原町の役人が詰めて郭内の取締りにあたった。…

※「御歯黒溝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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