裏表(読み)ウラウエ

デジタル大辞泉の解説

うら‐うえ〔‐うへ〕【裏表】

裏と表が入れ替わること。あべこべ。反対。
「其言葉とは―に」〈花袋・生〉
裏と表。
「墨のいと黒う、薄く、くだり狭(せば)に、(紙ノ)―書き乱りたるを」〈・二九四〉
前後・左右・上下など相対する物事の両方。あちらこちら。
「ふたりを―に置きてこそなぐさみつるに」〈平家・一二〉

うら‐おもて【裏表】

物の表面と裏面。「紙の裏表
表面に現れている事柄と、裏に隠されている事情。表面と内情。「業界の裏表に通じている」
一つの事柄が呈する、一見異なって見える二つの様相。「過保護も放任も親の自信の無さの裏表である」
人の見ているところと見ていないところとで、態度・行動が違うこと。かげひなた。「裏表のある人間」
裏を表側にすること。裏返し。「靴下を裏表にはく」
裏と表ほどかけ離れていること。全然違うこと。正反対。
「其の事は愚僧も聞いていまするが、世間の沙汰とは―」〈浄・八百屋お七

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大辞林 第三版の解説

うらうえ【裏表】

うらとおもて。 「夫の詞少きとは-にて、この媼はめづらしき饒舌じようぜつなり/即興詩人 鷗外
上下・前後・左右など相対するものの両側。 「 -に二ならびに居なみたる鬼、かずをしらず/宇治拾遺 1
うらとおもてとを逆にすること。うらがえし。うらおもて。 「祭の日は-の色なり/栄花 殿上の花見

うらおもて【裏表】

うらとおもて。
うらをおもて側にすること。裏返し。 「シャツを-に着る」
内面と外に現れたものとが合わないこと。かげひなた。表裏ひようり。 「 -のない人」
表面と内情。表裏。 「政界の-に通じた人物」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

うら‐うえ ‥うへ【裏表】

〘名〙 (「うえ」は「おもて」の意)
① 裏と表。布、紙などの両面。
※枕(10C終)二九四「墨のいと黒う、薄く、くだりせばに、うらうへ書き乱りたるを」
② 左右、前後、上下など、相対する物事の両方。両側。また、あちらこちら。
梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇「斑(ぶち)なる馬に乗りて、うらうへに立ちたまひて」
③ 表と裏がいれかわること。うって変わること。あべこべ。反対。うらはら。
※伊勢集(11C後)「うらうへぞおもひやらるる唐衣からにうつりて君が来たれば」
※生(1908)〈田山花袋〉二〇「其時から其言葉とは反対(ウラウヘ)に」

うら‐おもて【裏表】

[1] 〘名〙
① 一般に布、紙など平たい広がりをもったものの表面と裏面。
※弁内侍(1278頃)建長二年一〇月一三日「うらおもて白き御下襲(したがさね)
② 建物や部屋の前とうしろ。また、裏通りと表通り。
※人情本・英対暖語(1838)二「奥の座敷に伴ひゆき、しばらく裏表に気を配り」
③ 物事の表面にあらわれた部分と内に隠された部分。
※福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉雑記「そんな事をして人を苦しめないでも宜(い)いだらうと裏表(ウラオモテ)から色々話すと」
④ 表面にあらわれたものと内面にかくされたものとが食い違うこと。かげひなた。うらはら。
※十訓抄(1252)六「うらおもてなく、親をもひかず、疎をも隔てずして、ひとしき思をなす」
⑤ 裏と表ほどかけはなれていること。全然違うこと。正反対。
※玉塵抄(1563)二五「掉挙はとびあがり浮(うき)すぎた者あり沈とうらをもてぞ」
※浄瑠璃・八百屋お七(1731頃か)上「其事は愚僧も聞いていまするが、世間の沙汰とはうら表」
⑥ 裏を表にすること。裏返し。「裏表に着る」
⑦ 裏門と表門で、男色と女色をいう隠語。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)三「裏表二の手柏の坊主客」
[2] 江戸深川の岡場所、裏櫓(やぐら)と表櫓のこと。

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