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復性書 ふくせいしょFù xìng shū

世界大百科事典 第2版の解説

ふくせいしょ【復性書 Fù xìng shū】

韓愈の弟子である唐の李翺(りこう)(772‐841)の著した論文。その文集《李文公文集》所収。彼はここで,“情”(喜,怒,哀,懼(おそれ),愛,悪(にくしみ),欲などの感情)の動きは“性”(善なる本性)の発現をくらませる元凶であるから,心を〈寂然として動かざる〉状態に保ち“性”に復帰することが聖人に至る道だと説いた。彼のこの主張は,その異端排斥や《孟子》《中庸》《大学》《易経》の尊重とともに,次の宋代の道学(新たによみがえった儒教)に大きな影響を与えた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の復性書の言及

【復性説】より

…復性説はそれを人間性のレベルで説いたもので,心が情として動く以前の静かな状態(性)に復帰することによって心の安定と人格の完成をめざそうとする。その萌芽はすでに《礼記(らいき)》楽記篇に〈人生まれて静かなるは天の性なり,物に感じて動くは性の欲なり〉と表明されているが,これを理論的に整備したのは唐の李翺(りこう)の《復性書》であり,彼の説は宋代の新儒教(道学)に継承される。【三浦 国雄】。…

【李翺】より

…官僚としては中書舎人などを歴任するが,さらに顕官を望んで得られず,山南東道節度使在職中に卒し,文と諡(おくりな)された。代表作は《復性書》で,儒教思想史あるいは唐代思想史上の重要文献。ほかに《論語筆解》《五木経》の著があり,《李文公集》18巻が伝わる。…

※「復性書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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