心情倫理と責任倫理(読み)しんじょうりんりとせきにんりんり(その他表記)Gesinnungsethik und Verantwortungsethik

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心情倫理と責任倫理」の意味・わかりやすい解説

心情倫理と責任倫理
しんじょうりんりとせきにんりんり
Gesinnungsethik und Verantwortungsethik

M.ウェーバーが『職業としての政治』で用いた言葉。相対立する基本的な倫理態度心情倫理では,おのれの信じるがままに行為することが価値であり,その結果が悪くてもその責任は社会や神に帰せられる。責任倫理では,行為の結果について予見し,そのうえに立って行動し,結果には責任を負う。この2つの態度は,ウェーバーでは目的と手段の関係とからめて問題にされ,いかなる目的が危険な手段を正当化するかを決しうる倫理は存在しないとしつつ,両者の相補するところにあるべき姿をみている。倫理学的には,この2つは動機説結果説の対立にほぼ応じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android