心疾し(読み)ココロトシ

デジタル大辞泉 「心疾し」の意味・読み・例文・類語

こころ‐と・し【心疾し】

[形ク]
感覚知能の働きが鋭くてすばやい。機敏である。
「いとあさましくなむ侍ると申すに、君も―・く心得給ひて」〈堤・思はぬ方にとまりする少将
気ぜわしい。気が早い。せっかちである。
一重なるが、まづ咲きて散りたるは―・く、をかし」〈徒然・一三九〉

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精選版 日本国語大辞典 「心疾し」の意味・読み・例文・類語

こころ‐と・し【心疾】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 頭の回転がすばやい。機敏である。さとりが早い。
    1. [初出の実例]「うちほほゑみての給ふ御気色を、心ときものにて、ふと思ひよりぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
    2. 「此比は、これほどの事も、心とくうちいづる人はかたきにてあるに、優に候ものかなとて」(出典:古今著聞集(1254)一九)
  3. 気ばやい。せっかちである。
    1. [初出の実例]「一重なるが先づ咲きて散りたるは、心とく、をかし」(出典:徒然草(1331頃)一三九)

心疾しの派生語

こころと‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

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