心臓病患者の妊娠

六訂版 家庭医学大全科 「心臓病患者の妊娠」の解説

心臓病患者の妊娠
(循環器の病気)

 妊婦では体のなかを回る血液量が増えるために心臓に負担がかかり、心不全を起こしやすい状況になります。

 以前から心臓が悪いといわれている患者さんでは、妊娠そのものが可能かどうか、出産に際してどんな危険があり何に気をつけるべきかを主治医と相談しておく必要があります。

 とくに心不全状態によって日常生活が制限される人、肺高血圧チアノーゼ(血液中の酸素濃度が低いため皮膚の色が青黒い状態)を伴う先天性心臓病の人は、母体、胎児ともに危険があるので注意が必要です。

 心臓病の妊婦でも内科医産婦人科医小児科医などの連携で無事赤ちゃんを出産できる場合もあり、各人の心臓の状況に合ったサポートが必要です。

 薬によっては赤ちゃんに影響の出る可能性が心配されますが、器官形成期(赤ちゃんの手足などのもとができる時期)である妊娠約8週を過ぎれば、催奇形性などの危険も少なくなるため、投与できる薬剤も増えます。

 妊娠、出産に際しては、必ず循環器内科専門医に事前に相談してください。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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