志紀郷(読み)しきごう

日本歴史地名大系 「志紀郷」の解説

志紀郷
しきごう

和名抄」にみえる。諸本ともに訓はないが、郡名と同訓であろう。「続日本後紀」承和六年(八三九)五月一二日条に「河内国志紀郡志紀郷百姓志紀松取、宅中所生橘樹、其高僅二寸余而花発者、殖干土器之」とある。松取が志紀とのみ称することからすると、「新撰姓氏録(河内国皇別)に志紀県主と同祖で神八井耳命の後と称する志紀首の一族であったかもしれない。当郷の所在について「河内志」は早く廃されたとするが、「日本地理志料」「大阪府全志」はともに河内国府の所在した現藤井寺市の国府こうを中心とした地域であろうとする。「大日本地名辞書」は国府の地を井於いのえ郷とし、当郷を志紀郡の式内社の一つである志紀長吉しきながよし神社の所在する現大阪市平野区の長吉付近とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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