性嫌悪障害(読み)せいけんおしょうがい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「性嫌悪障害」の意味・わかりやすい解説

性嫌悪障害
せいけんおしょうがい

性的行為の対象となる相手との性器を介しての性的接触を極度に嫌悪して回避することにより、著しい苦痛が生じる、あるいは対人関係が困難になる状態。性的欲求が低下している状態の性欲低下障害とは区別される。原因と考えられるのは、性交時の疼(とう)痛(性交疼痛障害)、幼児期に受けた性的虐待、幼児期から刷り込まれた性行為に対する羞恥(しゅうち)心、強姦(ごうかん)(性的強要)や近親相姦の体験など、さまざまである。このほかに、性的行為の失敗体験、性的行為の対象との人間的葛藤(かっとう)、性的行為の対象に対する認識の変化なども、性的行為や性的接触を回避しようとする、性的欲求の障害の原因としてあげられる。従来は女性に多くみられるものであったが、男性にもその傾向がみられるようになっている。

 DSM(アメリカ精神医学会「精神障害の診断と統計的手引き」)や国際疾病分類ICD)では精神障害として扱われている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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