改訂新版 世界大百科事典 「怨霊事」の意味・わかりやすい解説 怨霊事 (おんりょうごと) 歌舞伎の演技・演出。元禄期(1688-1704)にさかんに行われた。若女方の芸で,死霊や生霊が恨みをのべ相手を苦しめるもの。小唄や浄瑠璃を用い,舞踊化されることが多い。綱わたり,屛風わたり,宙返りなどの軽業を見せることもあり,猫や蛇,鶏などの動物がのりうつって狂う演出もある。〈浅間物〉や〈道成寺物〉をはじめ《鷺娘》などもこの系統から生まれたものである。執筆者:近藤 瑞男 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報