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演出 えんしゅつ direction

翻訳|direction

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

演出
えんしゅつ
direction

演劇,舞踊,映画などで,台本や筋書に含まれている内容を具体的な現象として表現するための芸術的,技術的操作のこと。演劇,映画はもちろん,ショーや写真も多種多様な要素で構成されるので,それらを統一ある表現にまとめあげるための作業が要求される。

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デジタル大辞泉の解説

えん‐しゅつ【演出】

[名](スル)
演劇・映画・テレビなどで、台本をもとに、演技・装置・照明・音響などの表現に統一と調和を与える作業。
効果をねらって物事の運営・進行に工夫をめぐらすこと。「結婚式の演出」「演出された首班交代劇」

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百科事典マイペディアの解説

演出【えんしゅつ】

演劇の創造に当たって,戯曲をもとに,俳優の演技をはじめ舞台装置舞台照明,効果,衣装など舞台に表現されるものの諸要素を,一定の意図の下に芸術的に統一,調和させる作業。

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世界大百科事典 第2版の解説

えんしゅつ【演出】

演出とは,舞台のために書かれた戯曲に,あらゆる方法によって魂を与え,光を与え,生命を与えることである。戯曲を上演するためには,その中心となる俳優の演技をとりまく舞台装置,照明,音楽,音響効果などさまざまな要素が必要であるが,そのすべてを統一して調和させるのが演出の仕事である。演出家の使命は現代演劇の発展とともに重要性を増してきたが,この役割は演劇の歴史とともにあったといえる。ギリシア時代には,作者がしばしば演出,俳優,合唱隊長を兼ね,執政官は富める市民を選び出して合唱団の組織,衣装の調達など劇上演の管理にあたらせた。

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大辞林 第三版の解説

えんしゅつ【演出】

( 名 ) スル
演劇・映画などで、脚本・シナリオに基づき俳優の演技・舞台装置・照明・音楽・音響効果などを統合して一つの作品を作ること。 「創作劇を-する」
式や催し事などを盛り上げるために、進行や内容に工夫を加えること。 「開会式の-」 「派手な-で会を盛り上げる」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

演出
えんしゅつ

観客の前で公演される劇作品の創造各部門を統括する役割を演出といい、その統括者が演出家である。演出家の役割は、上演台本の検討に始まり、演技、装置、照明、衣装、音楽、振付け、効果など各部門の能力を一定の芸術的意図のもとに総合し、舞台に定着させるまでの創造作業を具体的に指揮、総括する。なお、公演初日以降の舞台上の統括は舞台監督の責任となるのが通例である。演出が重要視されだしたのは、各部門が専門分化する近代以降である。
 英語ではプロデュースproduce(劇作品の制作、上演)、またはステージ・ディレクトstage direct(舞台の指揮、監督)といい、演出家をディレクターdirectorとよぶことが多い。フランス語ではミザンセーヌmise en scne(舞台化)の語をあて、中国では「導演(タオイエン)」の語をあてる。日本では大正末ごろまで「舞台監督」の訳語をあてていたが、やがて舞台監督と職能的に区別するために築地(つきじ)小劇場時代に「演出」の訳語がしだいに定着し、その後、映画、ラジオ、テレビなどの分野にも波及した。また「プロデュース」は経済的責任をもつ「制作」の概念が欧米や日本で一般化してきた。
 近代以前、演出機能を担う者は、上演集団の作者や指導的俳優であり、また両者の協同作業によったとされる。古代ギリシア悲劇の父アイスキロスは、作者にとどまらず合唱隊長、俳優も兼ね、衣装、仮面、装置など舞台化の実際面や稽古(けいこ)進行の責任つまりは演出を担当し、ソフォクレスはそれらを合唱隊長に委任したと伝えられる。中世の宗教劇では上演監督者の僧侶(そうりょ)がそれらの役割を担当したらしいことを中世絵画は伝えている。ルネサンス以降は、シェークスピアやモリエールのように作者兼俳優兼劇団主宰者が演出の役割を担当した。能や歌舞伎(かぶき)では一座の座頭(ざがしら)役者が演出家を兼ねていた。
 1860年、ドイツのゲオルク2世大公(1826―1914)がマイニンゲン市に自ら宮廷劇場を建て、劇場長をも務め、従来のスター・システム的な主役中心主義を否定した集団的アンサンブル・システムをつくりだし、装置も改革して舞台造形の立体化を図った。そしてマイニンゲン公劇団の全ヨーロッパ公演(1874~90)を実現させ、大きな衝撃をヨーロッパの演劇界に与えた。当時はイプセン作『人形の家』(1878)など近代の自然主義的戯曲が生まれた時期でもあり、ついでフランスのアンドレ・アントアーヌの自由劇場創立(1887)に代表される自然主義的演劇運動が各国で展開される時代でもあった。つまり、19世紀末の近代自然主義演劇成立とともに、舞台機構も複雑化し、それらを統括する演出機能が確立されていったのである。以後モスクワ芸術座のスタニスラフスキーら、各国に優れた演出家が輩出し、それぞれの演出理念を舞台上に展開した。なかにはイギリスのゴードン・クレイグのように、演出の絶対的支配権を主張する者まで現れた。
 日本では明治末期の文芸協会や自由劇場による演劇近代化運動の深まりにつれ、坪内逍遙(しょうよう)、島村抱月(ほうげつ)、小山内薫(おさないかおる)らにより近代的演出機能が確立され、大正末期の築地小劇場創立(1924)とともに、現在に至る演出の基盤がつくられた。こうして20世紀以降、演出者中心の舞台創造が行われるようになった。一方、演出権の強化に対抗して演技者の主体確立を叫ぶ主張も高まった。
 新劇系に対し、小劇場系といわれる1960年代以降の若手劇団には、唐十郎(からじゅうろう)のように作者兼俳優兼演出者兼劇団主宰者が現れ、平田オリザ(1962― )のように作者および劇団主宰者が演出を担当することが多くなり、作・演出の一体化傾向が強まっている。21世紀初頭の代表的演出家としては、静岡県立劇場総監督の鈴木忠志(ただし)(1939― )、劇団四季の浅利慶太(あさりけいた)(1933― )、フリーの蜷川幸雄(にながわゆきお)などがいる。[石澤秀二]
『ポール・ブランシャール著、安堂信也訳『演出の歴史』(1961・白水社) ▽木村光一著『劇場で対話は可能か――演出家のノート』(1985・いかだ社) ▽鈴木忠志著『演劇とは何か』(1988・岩波書店) ▽野田雄司著『演出のすすめ方――確かな劇創りに』(1992・青雲社) ▽サン・キョン・リー著、田中徳一訳『東西演劇の出会い 能、歌舞伎の西洋演劇への影響』(1993・新読書社) ▽鈴木忠志著『演出家の発想』(1994・太田出版) ▽山内登美雄編『ヨーロッパ演劇の変貌――ゲオルク二世からストレーレルまで』(1994・白凰社) ▽佐々木健一著『演出の時代』(1994・春秋社) ▽井上ひさし編『演劇ってなんだろう』(1997・筑摩書房) ▽浅利慶太著『浅利慶太の四季 著述集2 劇場は我が恋人――演出ノート選』(1999・慶応義塾大学出版会) ▽風間研著『舞台の上の社会』(2000・みすず書房)』

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世界大百科事典内の演出の言及

【演劇】より

…したがって本項目では,演劇という営為と体験の基底をなすと考えられる特性について,上記4要素とその相関性についての問いを考慮に入れつつ,主として日本演劇と西洋演劇に具体例を借りて,概略を記述してみる。
【観客――視覚の二重性】
 現代イギリスの演出家で1960年代末から主としてフランスで活躍しているP.ブルックは,その《なにもない空間》の中で次のような趣旨のことを述べている。〈どこでもいい,なにもない空間。…

【戯曲】より

…現実の行動が“する”ことのなかに“見る”ことを含んでいるように,演技は演じることのなかに読むことを含み,戯曲の構造に対応して,それ自体のなかにまた重層構造を秘めている。近代の演劇においては,しばしば俳優の仕事から演出という役割が独立し,これが演技の“読む”側面を分担しているが,この事実は演技そのものの両義的な性格を明示している,と考えられる。演劇脚本レーゼドラマ【山崎 正和】。…

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