普及版 字通 「悩(漢字)」の読み・字形・画数・意味
悩
常用漢字 10画
(旧字)惱
12画
(異体字)
12画
[字訓] なやむ
[説文解字]
[字形] 形声
旧字は惱に作り、(のう)声。は腦(脳)の初文で、その象形。〔説文〕十二下に正字をに作り、「恨痛するるなり」とし、「の省聲」(段注本)という。また「今汝南の人、恨むるをと曰ふ」と方言を以て解している。婦人に懊悩(おうのう)のことが多いので、を正字とするのであろうが、惱の字を用いることが多い。
[訓義]
1. なやむ、うらむ、わずらわしい。
2. いかる、はらたつ。
3. 国語で、のう、やまい。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 惱の字と同じ、弄ぶ、和豆良波須(わづらはす) 〔名義抄〕惱 ナヤム・ナヤマス・ウレフ・ウルサシ
[声系]
〔説文〕にの字なく、(しん)十下に「頭會蓋なり。象形」とあり、その上に頭髪の象を加えたものが、さらに人の側身形を加えたものが(のう)。〔説文〕八上に「頭の(ずい)なり」とし、また匕(ひ)は相比叙する意、巛は髪、はの形に象るとする。惱は〔説文〕にみえず、六朝期に至って仏教語として多く用いられる。脳になやみがあることを・惱という。
[語系]
惱()nuは怒na、擾njiuと声近く、心に恨み怒って、情の擾(みだ)れることをいう。
[熟語]
悩懊▶・悩火▶・悩悔▶・悩害▶・悩苦▶・悩恨▶・悩殺▶・悩人▶・悩怒▶・悩罵▶・悩犯▶・悩煩▶・悩悶▶・悩乱▶
[下接語]
懊悩・苦悩・春悩・障悩・痛悩・熱悩・煩悩・憂悩
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報