…民間薬の一種。爬虫類,昆虫類など,おもに動物を蒸焼きにして炭化させたもので,薬研(やげん)などで粉末にして用いる。中国の本草学に起源をもつとする説もあるが,《神農本草》などにはカワウソの肝やウナギの頭の焼灰を使うことは見えているものの,黒焼きは見当たらない。おそらく南方熊楠(みなかたくまぐす)の未発表稿〈守宮もて女の貞を試む〉のいうごとく,〈日本に限った俗信〉の所産かと思われる。《日葡辞書》にCuroyaqi,Vno curoyaqiが見られることから室町末期には一般化していたと思われ,後者の〈鵜の黒焼〉はのどにささった魚の骨などをとるのに用いると説明されている。…
…そのラテン語アフロディシアクムaphrodisiacum(複数形aphrodisiaca)は,ギリシア神話の美と官能の女神アフロディテに由来する近代の学術的造語である。 惚薬(ほれぐすり)も媚薬の一つであるが,これを用いれば相手が特定の人物に恋慕の情をつのらせると信じられた。〈イモリの黒焼き〉はその代表的なもので,江戸時代に淫薬専門の四目屋(よつめや)と称する薬屋が売った撒布薬である。…
※「惚薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...