愁場(読み)うれいば

精選版 日本国語大辞典 「愁場」の意味・読み・例文・類語

うれい‐ば うれひ‥【愁場】

〘名〙 歌舞伎、操り芝居で嘆き悲しむ所作を演じる場面。愁嘆場
談義本・穴意探(1770)「三段目の愁場(ウレイバ)をお書きなさる」
[語誌](1)人形浄瑠璃では、古くから悲劇的内容を中心に据えるものが多く、ウレ、すなわち愁嘆の場面が重視されてきた。竹本義太夫は時代物五段の構成で、三段目の愁嘆場を要所とした。
(2)歌舞伎では、もともと「うれひ」は諸芸一種に過ぎなかったが、人形浄瑠璃の影響を受け、愁嘆場を置くようになり、重要な場面の一つとなった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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