日本大百科全書(ニッポニカ) 「愛宕山(千葉県)」の意味・わかりやすい解説
愛宕山(千葉県)
あたごやま
千葉県南部、南房総市(みなみぼうそうし)と鴨川市(かもがわし)の境にある山。標高408メートルで千葉県の最高点である。嶺岡(みねおか)山系西部にあり、古第三紀の地層からなるなだらかな地形のなかに切り立っている。近世、里見(さとみ)氏の軍馬育成場として嶺岡牧があり、現在は県畜産総合研究センター嶺岡乳牛研究所となっていて、安房(あわ)酪農の普及に果たした役割は大きい。日本酪農発祥地の碑があり、県指定史跡。シイ、タブ、スギの林、ススキ原が広がり、県立嶺岡山系自然公園に指定される。頂上付近は航空自衛隊の防空レーダー施設となっており、許可なしに登頂することはできない。
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