慈林村(読み)じりんむら

日本歴史地名大系 「慈林村」の解説

慈林村
じりんむら

[現在地名]川口市安行慈林あんぎようじりん

安行村吉岡組よしおかぐみの西に位置し、台地低地が入組む。同村の内に飛地がある。村名は宝厳ほうごん院の寺号に由来し、古くは慈林寺じりんじ村と称したこともあったという(風土記稿)。天正一七年(一五八九)一一月二六日の太田氏房印判状写(武州文書)によれば、岩付いわつき(現岩槻市)城主太田氏房は比木(比企)藤四郎に「安行之内慈林之村」一七貫文の地を安堵している。田園簿では田二二一石余・畑八四石余で幕府領。ほかに慈林寺領三〇石がある。延享四年(一七四七)の徳川家重朱印状写(宝厳院蔵)によると、宝厳院は安行村の内で薬師堂領三〇石を寄進されており、元禄郷帳でも高二〇三石余に減じているため、あるいはこの時点で村切があり、薬師堂領も含めてその一部が安行村に付されたものとも思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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