成出郷(読み)なりでごう

日本歴史地名大系 「成出郷」の解説

成出郷
なりでごう

富士上方ふじかみかたのうちの中世の郷名。現在の小泉こいずみ地区内若宮わかみやを含む一帯と推定される。永仁六年(一二九八)日興本尊分与帳(北山本門寺文書)によれば、日興は越後房(日弁)弟子である「富士上方成出郷」の給主「南条平七郎母尼」に本尊を与えている。天正五年(一五七七)五月二一日の富士大宮神事(富士山本宮浅間大社文書)に「成出若宮」「なりてのわかミや」などと記され、当地に富士浅間社(富士山本宮浅間大社)の管掌する若宮(現若宮八幡宮)が祀られており、一月一三日の神事、五月三日の流鏑馬神事、八月一五日の神事などに際し淀師よどしの葛山氏らから神事料足が奉加されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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