戸等制(読み)ことうせい(その他表記)hù děng zhì

改訂新版 世界大百科事典 「戸等制」の意味・わかりやすい解説

戸等制 (ことうせい)
hù děng zhì

中国において,財産の多寡に従って戸を上下に等級化する制度。北魏以来唐(5~10世紀はじめ)までの均田体制下においても3等ないし9等戸制があったが,均田制のもとで生ずる貧富の差を調節するための二次的役割を果たしたにすぎない。王朝の人民支配の基準として戸等制が確立するのは宋代である。財産高に応じて主戸を都市では10等,郷村では5等に等級化した。3年に1度戸等簿が作成されて戸等の昇降が行われ,五等丁産簿,五等戸版簿などとよばれた。職役の賦課,両税の減免や支移・折変,和糴(わてき)・和買その他,戸等が人民諸賦課わりあての基準となった。1・2等戸は地主,3等戸は自作農で100畝(ムー)前後の土地所有,4・5等戸は自作兼小作で,5等戸は20畝以下,客戸は無産の等外戸。金朝でも猛安謀克制の下で,差役や税粮輸送等に3等戸制が行われ,元朝治下の中国社会でも戸等制支配がつらぬかれ,さらに明代においてもひきつがれたが,後半期から衰退に向かい,清初に消滅した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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