主戸(読み)しゅこ(英語表記)zhǔ hù

改訂新版 世界大百科事典 「主戸」の意味・わかりやすい解説

主戸 (しゅこ)
zhǔ hù

中国宋代の戸籍で,本籍地居住者で土地所有者である者をいう。客戸に対する。しかし,しだいに本籍地に居住するか否かよりは土地所有の有無が主戸の等級の基準となり,その多寡により5等級に分けられた。税役を負担したため税戸ともよばれた。地主層から零細な自・小作農まで,すべて主戸籍につけられ,王朝の経済的基盤を形成した。客戸を土地に定着させて主戸とする政策がとられたが,戸籍上の主戸制度は宋一代で消滅する。
戸等制
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「主戸」の意味・わかりやすい解説

主戸
しゅこ
zhu-hu; chu-hu

中国,宋代の土地所有者をいう。元来,本籍地に居住する者の意。唐の両税法施行のとき,農民は現住地主義により戸籍に登録されることになり,本籍地主義はくずれ,土地所有者が主戸とされ,移住者の客戸とともに両税を負担した。のち戸税が土地を基準にして割当てられるようになって,主戸だけが税負担者となった。宋代にこの状態が確定され,戸口統計は主・客を明確に区分し,主戸は税戸ともいわれて両税を負担する一方,5等に分けられ,等級に応じて職役を課せられた。

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普及版 字通 「主戸」の読み・字形・画数・意味

【主戸】しゆこ

土着の家。

字通「主」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の主戸の言及

【宋】より

…その先駆は,宋代第一の名臣とうたわれた范仲淹の范氏義荘である。 農民は戸籍上,主戸と客戸とに分けられた。主戸は原則として土地財産を所有する者で,財産高によってさらに5等に分けられ,3年ごとに,主戸の資産と丁口の数目を記載し徴税や差役割当の基準とした,五等丁産簿が作成された。…

※「主戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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